川の詩 (Poem Of The River)

音楽、映画、本といったカルチャーから些細な日常までをその日の気分で何となく

ゲーム世代の活きの良い電撃パンキッシュ・ジャパニーズ・ロックは歌詞もリアルな”あるある”満載でオモロくて共感アリアリ!

”サブカル女子” byキュウソネコカミ

(From The Album "大事なお知らせ")

 

ニューウェイヴ世代の僕でも、新しいバンドはいつだって気になる。洋楽やUKモノに限らず、若手バンドのサウンドはかなり気になるのだ。元CDショップのマネージャーだったので、お里が知れてしまうが、思わずの青田買いは欠かさない。さすがにヒット・チャートを駆け抜けるものはあまり聴かないが(後になったのはあるけどね)...。メランコリックな味わいや深みはベテランには及ばないものの、好きな音楽を演りたい!音楽で喰いたい!というパワーは、いつも僕をフレッシュな気分にさせてくれる。

 

大事なお知らせ

 

つい先日、メジャー・デビューを果たしたキュウソネコカミは、兵庫県出身の5人組バンド。最新シングル”ビビッた”(この曲も近々取り上げるかもね)で、ビビッと来てしまったひとも多いだろうか。バンド名を見て「窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)」という古いことわざを思い出す。絶体絶命の窮地に追い詰められたネズミは猫をも噛む=窮地に立たされた弱者は強い者に逆襲するという意味。中国の古いことわざで「死して再びは生きずとなれば、窮鼠も狸を噛む」が語源とか。キュウソタヌキカミだった可能性もあるわけね。でも、彼らのバンド名の由来は「ファイナルファンタジー」の装備品から来ているらしい。何だよ~。そういや、アルバムのジャケもファミ通系の人ばっかじゃん(笑)。

 

ウィーアーインディーズバンド!!

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最近の若手バンドってゲーム世代が多いのかな。”ヒャダイン”もドラクエの呪文だそうだし、”SEKAI NO OWARI”は曲名や歌詞にロープレっぽいファンタジーを感じる。狭苦しい散らかった部屋でゲームにハマって閉じこもり、クリアーしてもちょっと虚しい。ああ、音楽で喰いてえ~!って叫ぶ若者の姿を妄想して思わず笑っちゃう。だって、俺らの時代と全然変わらないじゃん。無かったのはケータイとネットだけ。僕らよりも先輩の時代もそうだった、やっぱリアルな音楽は4畳半から生まれるのかもね。

 

最初に彼らのサウンドに触れたのは、実はこの曲"サブカル女子"。2012年にインディー・レーベルからリリースされたセカンド・アルバム「大事なお知らせ」に収録されている。年齢不明のサブカルチャー好き女子の日常の生態と品格を、SUBWAY(ORGANIZATIONではなく)、IKEAヴィレッジ・ヴァンガード、一眼レフのカメラ、黒ぶち眼鏡の装備、缶バッチ、甘い映画とドラッグムービー(てか精神的にクル映画ですかね)といったキーワードを満載してリアルに叫ぶ。面白い。馬鹿にしているのか?いや、『でも好きさ』と素直ではないラブコールを送っているのもいい。オールド・サブカル男子な僕だけど、サブカルって以前のカテゴリとだいぶ変わったよね。最近のは裏モノばかりで『それってサブカル?』と思ってしまう。手前ミソだが、僕の選んだ女性=現在の妻はサブカル女子だ。宝島やブロス世代だけどね。やっぱ話していて一番楽しいし、肩の辺りを殴られたいし。

 

曲もライヴも痛烈にオモロイこのバンドは、関西出身だからか、既にコミックバンド?というほどにお笑い要素がある。しかし、この笑えるだけではないリアルで激アツなサウンドと、あるあるな日常の風景を切り取った秀逸な歌詞の数々は、友人からは「こんなの聴くんだ?」なんて言われるかも知れないが、絶対的な支持を表明するのであった。いや、マジで。あるあるネタが多いのはレイザーラモンRGの影響下?

 

 

大事なお知らせ

大事なお知らせ