読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

川の詩 (Poem Of The River)

音楽、映画、本といったカルチャーから些細な日常までをその日の気分で何となく

ここ数年の間で最高のライヴ・パフォーマンスを見せてくれたのは...吸血鬼軍団だった!

"Cousins" by Vampire Weekend

From The Album "Contra"

何だか昔のばっか聴いてるんだと思われそうなんで、ちょっと最近のを。ヴァンパイア・ウィークエンド。最新のじゃないですけどね。現時点で、彼らの中で一番好きな、セカンド・アルバム”CONTRA”に収録された、中でもキーポイントと言える名曲。

Contra (Ocrd)

 


Vampire Weekend - 'Cousins' (Official Music ...

 

ここ数年、色んなライヴを観てきました。フェスであれ単独であれ、大ハコであれライヴハウスであれ、バンドの生のエナジーを感じる事の出来るライヴはやっぱいいねえ。心に残るライヴと言えば、HOSTESS CLUB WEEKENDERで観たTRAVISは相変わらずの暖かいライヴだったし、同日のEDITORSも久々に観れたっていうのもあって、感動したし、FUJI ROCKでのARCTIC MONKEYSやNOAH & THE WHALEも..とまあ、いいねえ、っていう感じのライヴは結構あったんだなー。

 

でも、個人的にダントツだったのは、2010年のFUJI ROCKのGREEN STAGEで観たヴァンパイア・ウィークエンドだったのだ!彼らのライヴは2008年のサマーソニック以来2回目だった。その時は、THE WOMBATS(←大好き!でも最近どうしてるんだろ?)に続いて登場。彼らのライヴは、マリン・ステージという微妙なブッキングながら(もうちょっと小さいハコで観たかったんだよなあ)、熱っぽくて激しくて、アルバムとは一味違った印象を受けた。いや、アルバムよりも良かった。けど、アルバム1枚しか出てない状態でのステージは、凄く良かったんだけど、若いなあ、程度の印象だった。

 

それ以来の彼らのステージは、2作目のアルバム”CONTRA”を引っ提げてのライヴで、フジロックのメイン・ステージであるGREEN STAGEに堂々の登場。とりあえず前方にかぶりついた。見渡す限りの人人人人人!に驚きながら、いよいよライヴが始まった。2年ぶりの彼らは、相変わらずの短パン&ボタンダウン・シャツのスタイルで登場、"Holiday"からスタートすると、すぐさま熱狂の渦に。"M79"~"CALIFORNIA ENGLISH"~"Cousins"で一層激さを増し、そっから"RUN"~"A-PUNK"を演られたら、熱狂が頂点に達するのはあたり前ってもんだ。"Giving Up the Gun"には感動しちゃった。曲が短いからってのもありますが、全16曲、そのままラストの"WALCOTT"まで一気に突き進み、最後まで一瞬たりとも飽きさせない最高のライヴでした。体力が持たんかと思った。彼らって、タテノリ、ヨコノリ、ナナメノリと変幻自在なノリなんで体が...。FUJI ROCKに来て感心するのは、オーディエンスの皆様、ちゃんとアルバム聴いてきてるんだな~という事。最初から最後までの熱狂、イントロがかかった瞬間の沸騰がソレを物語っていました。兎に角すんごいライヴだったんですよ!そのステージが素敵にエネルギッシュなものになったのは、まあ、理由があったのですね。

 

ヴァンパイア・ウィークエンドは、米国ニューヨーク出身のエズラ・クーニング、ロスタム・バトマングリ、クリス・バイオ、クリストファー・トムソンの4人からなるバンドですね。マンハッタンにあるコロムビア大学で結成された彼らのサウンドには、カオスもヴァイオレンスも苦悩も無い、とにかく明るく能天気なイメージが一聴すると感じられます。全員大学出身という事で、非常に襟元正しいお行儀の良い、ある意味ナチュラルにストレートな姿勢を持っているのだ。

 

デビュー時は、パンク的ハングリーさは希薄、かといってSTROKESやPHANTOM PLANETの様なセレブでもない、中流家庭(多分ね)出身だから身近に感じられるんかね?核となるアフリカン・ミュージックを中心に、カリブ、ラテンをはじめとしたワールド・ミュージックの要素をふんだんに盛り込んだ自由度の高いサウンドが楽しかった。だけど、何か出し惜しみしてるって感があり、まだ奥行きのありそうな感覚があったのだ。その微妙な感覚は、あのサマーソニックのステージで確信に変わるのだ。こいつら、まだ何か隠してる。

Vampire Weekend

んで、その疑問への答えが翌年にリリースされたセカンド・アルバムで一気に納得に変わったのだった。ロックなんて嫌い!と言い放っていた彼らだが、ライヴを重ねるにつれてダイナミックに進化を果たしたのだ。その勢いのままに制作されたのが、2010年リリースの2作目のアルバムである”CONTRA”なのだ。

 

ラテンやアフロなノリが根っこになるのですが、聴き進めると、前作で食い足りなかった部分だったダイナミックなバンド・サウンドが格段に進化していたのだ。振幅の激しい曲展開や、時折熱っぽくなってしまうヴォーカルは、間違いなくロック・バンドのソレとなっていた。今まで考えられなかった様な斬新なビートも盛り込まれ、縦横無尽に繰り出されるエレクトロニクスの使用もお見事。そして、何と全米1位に輝くという奇跡的なポピュラリティを獲得した。そう、先のライヴの熱さ、今作が凄い作品だって事を物語っていたのですね。 

 

そんな奇跡の傑作である”CONTRA”の中でも奇跡の曲が、今回取り上げた”COUSINS”。前作でいうところの”A-PUNK”的な、全体の流れからすると、ちょい浮き気味なこの曲です。早い早い、スピ-ドスピード!でもポップポップ!情熱的ラテンでもなく、灼熱のアフロでも無く、血沸き肉踊るパンクでもない、ヴァンパイア・ウィークエンド独自の世界が展開される名曲中の名曲なのだ!カラオケに入ってたんで唄ってみたが、速過ぎて撃沈しましたとさ...。でもさ、結構歌詞はどうでもいい事を歌っていて、無邪気な所がまたいいとか、ね。

Modern Vampires of the City

Modern Vampires of the City

 
Vampire Weekend

Vampire Weekend

 
Contra (Ocrd)

Contra (Ocrd)