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川の詩 (Poem Of The River)

音楽、映画、本といったカルチャーから些細な日常までをその日の気分で何となく

生き残れなかったC86系バンドの、蛇足ミックスなのに原曲を超える程の名曲!

”THERESE(EXTENDED NEW MIX)” by The Bodines

From The Album "Played"

 

今回の1曲は、再びC86組から。(C86に関しては、以前の記事「生き残れなかったC86系バンド群の中でも指折りの名バンドの隠れた名曲は米国への視線を感じつつ味わう」を参照の事)このBodinesというバンドも見事に生き残れなかった。

 

Played


Bodines - Therese (Extended New Mix) (1987 ...

 

The Bodinesの"THERESE(EXTENDED NEW MIX)"。Creationから出たシングルは殆ど名曲だ。"God Bless"も"Paradise"も"I Feel"も"Scar Tissue"も"Heard It All"も"Clear"も "William Shatner"も凄くイイ。この曲達は唯一のアルバム"Played"に収録されている。この"Therese"もCreation時代の名曲だが、 Magnetに移籍してから再度出された12インチに蛇足的に入っていた。コレがいいんだ。

 

この曲はビクターから出た日本盤にだけボーナストラックとして収録されていた。蛇足に曲を増やす昨今のボートラ満載のヴァージョンとは全く異なる好編集。これは日本人として誇らしい。曲数を増やすことは結構だが、センスの無い選曲でアルバムの流れを潰しては毛頭も無い。正直、最近のボートラ偏重には辟易している。センスなし、全然ダメ!

 

ビニールの無駄使いと言われていた12インチ・シングルだが、 EXTENDED MIX(オマケ・ミックス)と銘打って多数出ていた別ヴァージョンは凄く良かった。昨今のリミックスばやりとは訳が違う。良くある手としてDUB VERSIONもイイのが多かったなあ...。Simply RedとかBronski BeatとかIt's Immaterialとか良かったねえ。もうちょっと後のものでは、Boo RadleysやThe Resqueとかに、良い12インチの別ヴァージョンがあった。あ、フリッパーズ・ギターも。

 

1984年にマンチェスター近郊のグロソップで結成されたバンド。メンバーはミック・ライアン、ティモシー・バーウッド、ポール・ブラザートン、ジョン・ローランドの4人だった。同じ頃にアメリカにも同じ名前のバンド(こっちはThe Bodeans)がいたので紛らわしくて、勘違いして買った人も多かった(アメリカの方も結構いいんだよね)のでは?

 

Creation Records初期、Television PersonalitiesとかLoftとかJasmine minksの次世代にあたるバンドであった彼らは、Creation Recordsからはめっちゃ良かったシングル群を連発してた。正にC86世代バリバリの彼らの作りだすサウンドは、ジャカジャカした小気味良いカッティング・ギターとズンドコなビート、英国風味のタメの効いたベース・ライン、パーフェクトな美メロと青臭いヴォーカルが融合された、理想的なギター・ポップ・サウンドと言える。口の悪いメディアは Echo & The Bunnymenのフォロワーとしか扱っていなかったけれども。

 

レコードセールスも悪くなかった。Creationから出たシングルは軒並みUKインディチャートのトップ10に入った。しかし、その後New Orderと北米ツアーを回って、アメリカン・ドリームを夢見たのが運の尽きだった。大きな活動のフィールドを求めた彼らは、Creationと決別してMagnet Recordsへ移籍してシングル3枚とアルバム1枚をリリースする。しかし、間もなくレーベルが倒産する。このMagnet Recordsの倒産劇では、クリス・レアやバッド・マナーズ、キッシング・ザ・ピンク(懐かしKTP)といったアーティストを路頭に迷わせたのだった。

 

このツイて無い状況に対して彼らの落胆ぶりは明らかで、その後は殆ど活動していなかった。クリス・レアみたいにWarner Bros.(Magnetの出資元であり売却先)から救いの手は差し伸べられなかったんだね。最後の1枚はシングル"Decide"で、コレはPlay Hardって知らないレーベルからリリース。そんな訳でバンドは消滅したのだ。

 

ジョンはInspiral Carpetsの初期シンガーだったステファン・ホルトと共にThe Rainkingsを結成するがパッとしなかった。ミックは、しばらくの沈黙を経て、ダンサブルなビートとギター・ロックをミックスした好バンドMedalark Elevenで古巣Creationより復活したが、あんまり評価されなかったね。

 

The Bodinesには"WILLIAM SHATNER"という曲がある。ウィリアム・シャトナーと言えば、「スター・トレック」のカーク船長、米テレビドラマ「ボストン・リーガル」のデニー役で知られる愛すべきオッサン...基い名優。Wedding Presentにも"SHATNER"という曲があったり、Creationの再発専門レーベルRev-Ola(現在はCherry Red傘下で健在)からシャトナーのアルバムがリイシューされたりと、英国のバンドにトレッキーは多いのかな、とか。完全に余談ですが。

 

Played

Played

 
C86: Deluxe 3cd Edition

C86: Deluxe 3cd Edition